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R6.4.1~労働条件通知書の明示事項が変わります!「就業場所と業務の変更の範囲」編

労働契約をR6年4月1日以降に締結する場合、以下の新たな労働条件明示ルールが必要になります!
※求人票に明示する労働条件も追加されます!

1.就業の場所と従事すべき業務の変更の範囲の明示
2.有期雇用労働者の更新上限の有無と内容の明示
3.有期雇用労働者の無期転換申込機会・無期転換後の労働条件の明示

新たな労働条件明示ルールは、労働基準法施行規則【令和5年厚生労働省令第39号】による改正を受けて導入されました。
この改正は、労働者がより透明性の高い環境で働けるようにし、雇用関係における予測可能性を向上させることを目的としています。

今回は、1.就業の場所と従事すべき業務の変更の範囲の解説です。

 1.「就業場所と業務の変更範囲」の明示要件

従来は、雇入れ直後の「就業の場所と従事すべき業務」を明示すれば足りるとされていましたが、
今回の改正により「就業場所と従事すべき業務の変更の範囲」を追加して明示することが義務付けられました。

対象者:
令和6年4月1日以降に労働契約を締結する、すべての労働者(正社員、契約社員、パート、アルバイトを問わない)

趣旨:
将来の配置転換等により変更される就業場所・業務の範囲についても労働契約締結時に明示し、労働者の予測可能性を保障し、紛争の発生防止等を図る。

定義:
就業場所と業務: 労働者が通常就業することが想定されている場所と業務のこと。
変更の範囲: 将来の配置転換などによって変わり得る就業場所・業務の範囲のこと。

変更の範囲」の考え方:(基 発 1012 第 2 号 R5.10.12 )
・配置転換や在籍型出向時の配置転換先や在籍型出向先の場所や業務は変更の範囲になる。
・臨時的な他部門への応援業務や出張、研修等、就業の場所や従事すべき業務が一時的に変更される際の、一時的な変更先の場所や業務は変更の範囲には含まれない
・テレワークを行うことが通常想定されるなら、テレワークを行う場所を就業場所の変更範囲になる。
・テレワークを行うことが通常想定されていないのなら、一時的なテレワークの就業場所は変更範囲には含まれない。

明示するタイミング:
労働契約の締結時
(令和6年4月1日以降に締結する労働契約から適用)

■すでに労働契約を締結している労働者には、改めて新たな明示ルールの適用は不要です。
新たな明示ルールは、令和6年4月1日以降に締結される労働契約について適用されます。
しかし、労働条件に関する労働者の理解を深めるため、新たな明示ルールにより対応することは望ましい取組です。(労働条件明示等に関するQ&A)

■労働条件明示は、労働契約の締結に際し行うものですから、令和6年4月1日を契約開始日とする契約の締結を3月以前にする場合には、新たな明示ルール適用は不要です。
しかし、労働条件に関する労働者の理解を深めるため、新たな明示ルールにより対応することは望ましい取組です。(労働条件明示等に関するQ&A)

 2.労働条件通知書の記載例

厚労省パンフレットの記載例を引用しています。(厚労省HP

▼(1)就業場所・業務に限定がない場合(転勤や職種の異動がある場合。総合職など)

就業場所・業務に限定がない場合は、すべての就業場所・業務を含める必要があります。
「会社の定める○○」と記載するほか、変更の範囲を一覧表として添付することも考えられますが、
予見可能性の向上やトラブル防止のため、できる限り就業場所・業務の変更の範囲を明確にし、労使間でコミュニケーションをとり、認識を共有することが重要です。

▼(2)就業場所や業務の一部に変更がある場合

就業場所や業務の変更範囲が一定の範囲に限定されている場合は、その範囲を明確にしましょう。

▼(3)就業場所や業務の変更の予定がない場合

雇い入れ直後の就業場所・業務から変更がない場合は、その旨を変更の範囲で明確にしましょう。

point

変更の範囲に追加・補足として、(一時的な外出先、研修場所、出張先、臨時的な他部門での就業先を含む。)と明示しても良いでしょう。


変更の範囲には、「臨時的な他部門への応援業務や出張、研修等、就業の場所や従事すべき業務が一時的に変更される際の、一時的な変更先の場所や業務は含まれない。」とされていますが、
それを知らない労働者は「ずっと就業先と業務は変わらない。」と誤解する恐れがあるためです。


▼(4)一時的に限定がある場合(一時的に異動や業務が限定される場

 3.実践のためのポイント

(1)求人からの観点
就業場所と業務内容の変更を範囲を狭くした方が、求職者にとって魅力的な労働条件に映るでしょう。
近年は、多様な働き方(勤務地限定など)を求める求職者が多くなってきています。

(2)同一労働同一賃金
正社員の中に、就業場所・業務内容の変更の範囲が狭い社員がいる場合に、同一賃金同一労働の待遇差訴訟がある場合に比較対象社員になりやすいため、不合理な待遇格差にならないかを入念に事前検討します。
有期雇用労働者と正規雇用労働者との間に不合理な待遇差があった場合に、仮に有期⇒無期に転換したとしても、不合理な待遇差は解消されませんから、企業としては同一労働同一賃金の問題を事前に解消すべきです。

 6.改正条文

最後に根拠条文です。

労働基準法施行規則第5条が改正されました。
令和6年4月1日~【令和5年厚生労働省令第39号による改正】

労働基準法施行規則
第5条 使用者が法第15条第1項前段の規定(労働契約締結時の労働条件の明示)により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、以下省略。

 略

一の二 略

一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)

 以下省略

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